ゆるかわの日記

暮らしに役立つかもしれないことを書きます

パンを登る

いつからだろうか。パンを登っている。登れるぐらいだから、とても大きい。まるで入道雲のように空高く大きなパンをよじ登っている。ロッククライミングの要領で、パンに手をかけ足をかけ、上を目指す。


長い時間登り続けるので、腹も減る。ちぎっては食べる。疲れて休みたい時もある。横穴を掘ってはそこに眠る。つまりふわふわのパンを食べ、ふわふわのパンに寝るのだ。


登る時、気を許すと手が滑り、落ちることもある。ただ構造上、途中途中で踊り場のような場所があり、そこに落ちて止まる。もちろんパンの上なのでふわふわしていて安心である。


長い時間パンを登り続けているが、いつまで登り続けるのか、皆目見当がつかない。安心してのぼれるからか、張りを感じない。そもそもパンばかり食べるのもマンネリだ。そして唯一の不安は飲み物がない事。喉が詰まらないように、小さく千切ってはゆっくりと食べている。


食べては寝て、焼きたてのパンの匂いで目が覚めると、暖かいパンをゆっくりとまた登り始める。パンばかりで飽きてきた、そう思いながら。

 

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