tetsuwan blog

鉄ワン(@tetsuwan30)の気ままなダイアリー

公開社内恋愛

みんな知っていた。二人が付き合っていることを。正確には一人だけ分かっていない男性社員がいたが、そいつはとにかく鈍感であからさまなのに気づいていなかったのだが、とは言え、それ以外のみんなは気づいていた。


鈍いといえば、当事者である二人も鈍い。社内恋愛が周りにバレないように努めているのだろう。仲良く過ごす姿も見せず、一緒にいるのも、ましてや互いに視線を交わらせることもない。ただ不審な点があまりになさすぎて、むしろそれこそがなにかを隠しているのでは、と思わせていた。


確かに以前何かの機会に仕事を一緒にしていたようだし、呼ばれればみんなで一緒にご飯や飲みに行くこともある。むしろそれなのに仲良くなる素振りも、逆に忌み嫌うこともなく、とても関係性が薄く感じられる、ちょうど良い距離感なのである。


何事も出来過ぎたものには違和感があり、それが分かっていない二人は鈍感なのである。


周りはそれこそ薄々気づいていたが、本人たちもずっとそんな感じで、だからといって聞き出すわけでもなく、なんとなく見守っていた。公然の秘密であった。


ただ鈍い男はそうではなかった。男はいつもそこ二人の間で何故だか仕事で絡んだり、二人の女側の方にちょくちょく声をかけてきた。正直、そっとしておいて欲しいと周りも思うのだが、みんなで気づいていないふりをしているので、注意もしづらい。


そのうち二人の男側の方に、恋愛相談をし始めた。そこは絶対違うだろうと周りも思っていたが、だからといってやはりなにも出来ず、どんどんエスカレートしていった。


ある日、二人の女側が会社を辞めることに。結婚退職とのことで、やっと公認出来ると周りが思うと、相手は鈍い男だと。あれ、二人の男側の間違いではと思われたがそうではなかった。みんなで誤解だったというつまらないおち。もしくは男性社員だけが本当は鋭かったのか。


それでもみんなは誰も省みることなく、また他の社内恋愛を見つけてきては見守る事に。事実とかどうでもよく、それ自体が楽しいのである。

 

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